柳生忍法帖(続)

前回(続く)と書いてから半年たってしまいましたが、配役も発表されたし何か書いておけという声ももらいましたし(家の中からですが)、仕事の原稿をうっちゃって先の続きを書いておくことにいたします。とりあえず配役込みのあらすじ(脚本がどうなるかは知るよしもないので、原作に沿ったもの)と、登場人物紹介くらいは必要でしょうか。生徒さんの名前は敬称略で。

 

原作のあらすじ

時は寛永19年(1642年)、会津藩主の主君・加藤明成(輝咲玲央)の悪逆ぶりを見かねて、重臣・堀主水(美稀千種)とその家来は加藤家を退転。堀家の男は高野山に、女は鎌倉・東慶寺にて出家することにしたのですが、明成はもちろん激おこ。家臣に命じて高野山から男どもを引っ張り出して連行。江戸へ連れ帰る途上、東慶寺にて女どもと会わせることに。むろん温情からではなく、女たちを目の前でなぶり殺しにして男どもをなお苦しめようという魂胆です。ひどい。

 

その実動部隊が会津七本槍。後が面倒なので一通り書いておくと

漆戸虹七郎(瀬央ゆりあ)剣の達人
具足丈之進(漣レイラ)犬遣い。犬(天丸=瑠璃花夏、地丸=星咲希、風丸=綾音美蘭)
司馬一眼房(ひろ香祐)鞭遣い
鷲ノ巣廉助(綺城ひか理)怪力の大男、拳法の達人
平賀孫兵衛(天華えま)槍の達人
香炉銀四郎(極美慎)網を操る美少年
大道寺鉄斎(碧海さりお)鎖鎌遣い

会津は事情が複雑で、加藤家の前の豊臣時代には蒲生家が治めていたのですがその前の芦名家の地侍(芦名衆)がまだ残っており、それが加藤家に仕官したのが会津七本槍という設定です。

 

30人ばかりいた女たちを片端から殺し、残ったのが7人。堀主水の娘、お千絵(小桜ほのか)ほか、お圭(音波みのり)、お品(紫月音寧)、お沙和(夢妃杏瑠)、さくら(紫りら)、お鳥(音咲いつき)、お笛(澪乃桜季)。この7人も殺してくれようと会津七本槍が仕掛けたところに現れた駕籠。乗っていいたのは将軍・家光の姉、千姫さま(白妙なつ)で、夫であった豊臣秀頼の娘、天秀尼(有沙瞳)が住持を務める東慶寺を訪ねてきたのでした。女どもを殺すなら堀の男どもを解き放つ、と逆に脅す千姫会津七本槍らは引き下がったのでしたが、のちに男どもは江戸で惨殺されたとの報が伝わる。

 

後日、千姫さまに呼ばれて沢庵宗彭(天寿光希)とともに東慶寺を訪れたのは我らが柳生十兵衛(礼真琴)。堀の娘らに手を貸して、敵討ちの手助けをせよという頼みに「面白い」と言い放ち引き受け、女たちを一通り鍛え上げる。江戸に来た女たちは、七本槍のうち3人(具足丈之進、平賀孫兵衛、大道寺鉄斎)を討つが、明成は今度は七本槍が頼りにならんといってまた激おこ。会津に帰ってしまう。実は参勤交代で帰っていてよかったものを、江戸に居座っていたのでした。

 

明成を追って会津へ向かう十兵衛と沢庵の道連れは堀の女7人に加えて、僧7人(多聞坊=天飛華音ほか)。僧の犠牲を出しつつも道中でさらに1人(鷲ノ巣廉助)を討って会津に着く。会津で明成を待っていたのは芦名衆の元締である芦名銅伯(愛月ひかる)と、その娘で明成の側室ゆら(舞空瞳)。芦名銅伯は不死身の術を使う(原作ではもう少し面倒くさい話ですが、もうこれでよいでしょう)108歳の老人で、黒衣の宰相・南光坊天海の双子の兄弟という(天海の出自は不明で芦名家の出という説もあるらしい。明智光秀説と似たようなものでしょうが)。

 

十兵衛は銅伯と立ち会い、不死身の体の前に敗れるが、さらに十兵衛を襲う七本槍をゆらが止める。ただ殺すのはもったいない、と言いつつも、ゆらはこの時点でもう十兵衛を気に入ってしまったわけです。さすがトップさま――と、ここまででようやく主な人物が出そろいました。

 

最終的には芦名銅伯も倒れ、十兵衛が七本槍で残った1人の漆戸虹七郎との一騎打ちに勝ち、堀の女たちは敵を討ち果たして加藤家はお取り潰しで万々歳ということに。問題はゆらと十兵衛ですか。トップコンビがどうなるか。まあ原作を読めばわかることですが……。そのへんを含めなかなか難しいところが多いのですが、大野先生がどう説明するのか。私が脚本を書く人でなくてよかったなあとは思います。

疲れてしまいましたので登場人物紹介はまた今度……。