2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

高橋源一郎『日本文学盛衰史』承前

文学も芸術であるならば、その使命というか目標は、世界を描くことではないか。描くとか切り取るとか直に触れるとか、言い方は大体だが。ラカンみたいな図式(らしい)になるが、人間は世界自体(現実界)へはアクセスすることができず、主として言語を媒介…

高橋源一郎『日本文学盛衰史』

高橋源一郎『日本文学盛衰史』(講談社文庫)を読む。文学を立ち上げる現場の勢いと息苦しさに高橋源一郎自身の困難が重なり合って、興味深い。困難とはむろん書くことの困難。当たり前のように日本語でものを書くということが、いかに当たり前でないか。そ…