2004-01-01から1年間の記事一覧

『絵のある人生』

安野光雅『絵のある人生』(ISBN:4004308569)は、当代の人気イラストレーター・絵本作家が絵画との付き合い方を教えてくれる本。「抽象画は分からない」といった素朴な疑問にも寄り添って、素人目には変な絵との付き合い方も一緒に考えてくれます。実例とし…

草間彌生―永遠の現在

もう先週のことですが、国立近代美術館に草間彌生―永遠の現在を見に行きました。ニョロニョロ(「たのしいムーミン一家」)みたいなソフト・スカルプチャーが印象的ですが、それにとどまらず多様な作品で強いインパクトを与え続けているお人です。今回の会場…

10日に一度くらいの日記になってしまって、週記か旬記といった感じではありますが一応更新です。最近は世間並みにDQ8なんてものを買ってきてしまい、仕事他の合間にポツポツと進めております。買ってから10日で8時間ちょっとくらいでしょうか。私はDQ…

『アフターダーク』

たまには売れ筋の本も。村上春樹の小説は一通り読んでいるのですが、今度の小説『アフターダーク』(ISBN:4062125366)も比較的早くに読めました。 最近の村上春樹の小説は象徴的なものを前面に出している印象を受けます。だいたい「世の中には闇にうごめく…

琳派

国立近代美術館の企画展「琳派」を見てきました(http://www.momat.go.jp/Honkan/RIMPA/index.html)。以前「淋派」と書いたゲラを見たことがありますが、それじゃあ悪い病気持ちみたいな。「琳派」です。王偏です。 驚いたのは、平日の午後という時間帯にも…

『大野晋の日本語相談』

しばらく間があきました。今更ながら夏休みで少し遠出していたこともあり休止状態に。子供も暴れますし。歩けるようになったこの先月来、一段と人らしくなってきたようであります。やたらと外へ出たがるわ、何だかよく分からないけれどしきりとしゃべるわ、…

瑛九

久々に神泉の松濤美術館(http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/)へ。瑛九展を見る。瑛九のことは昔の前衛美術家、という程度にしか知りませんでしたが、美術館のサイトに出ていた「ブーケ(花束)」の写真から察するに「これは実物は美しいに違い…

『日本の名随筆3 猫』

猫について書こうという人間は冷静さを失うらしく、このアンソロジーでもけっこうな猫狂いぶりを披露してくれています。もっとも、そのバカさ加減が随筆をユーモラスに仕立てている場合もあって、猫というのは随筆の題材には悪くないものかもしれません。何…

直木孝次郎『古代国家の成立』

日本の夏は読書の季節なのだなあ、と電車で隣に座った女の子が『堕落論』を読んでいるのを見て思いました。確かに夏の暑いときには、じっとして本でも読むのがよい過ごし方でしょう。各社の文庫も夏ごとにキャンペーンをやっていますし。 直木孝次郎『古代国…

カンバセイション・ピース

保坂和志『カンバセイション・ピース』読了。小説の単行本を買うのが嫌いなもので(文庫本は好きです。最初から文庫で出してくれれば良いのに)、発売以来読みたいと思っていたのですが、近所の図書館のお陰でようやく念願かないました。保坂和志の書くもの…

今どきアナトール・フランスなんて

アナトール・フランス『神々は渇く』(岩波文庫)を読みました。これも以前に買ったまま放置されていた本。概略以下のような話です。 時はフランス革命期、それもロベスピエールの台頭からテルミドール反動までの恐怖政治期が主な舞台。美貌の青年画家、エヴ…