瑛九

ekatof2004-09-01

久々に神泉の松濤美術館http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/)へ。瑛九展を見る。瑛九のことは昔の前衛美術家、という程度にしか知りませんでしたが、美術館のサイトに出ていた「ブーケ(花束)」の写真から察するに「これは実物は美しいに違いない!」と見に行くことに。結果から言うと、予想に違わぬ美しさで、久々に美術品を見て感銘を受けました。実物は1.5×1メートルくらいでしょうか。黄色と青を基調にした点描による色の重なり、ただそれだけです。しかしその色合いは心地よく、見ているうちに網膜も脳味噌も点描のつぶつぶになって、絵に溶け込んでしまいそうな気分になります。「ブーケ」は黄色の色味が勝っている作品ですが、青が勝ち気味な「ながれ れいめい」や「雲」「田園」などがむしろより魅力的かもしれません。黄色と青の濃淡のうちに、なんだか全部どうでも良くなるような(^^; 視覚の刺激も、分かり切っているようでいてまだまだですね。もっといろいろ見なければなりますまい。
ついでに言うと、ここは日本でも数少ないだろう、展示スペースでお茶が飲める美術館なのです。さすがに座席は展示品から遠いですが、美しいものに囲まれてコーヒー(おいしい)を飲むのは悪くありません。建物も小さいながら雰囲気のある造りで、日本でもっとも魅力的な美術館の一つだと思っています。展示も今回のような味のあるものを企画していますし。金持ち渋谷区ならではでしょうが、こういう金の使い方は大歓迎です。