草間彌生―永遠の現在

もう先週のことですが、国立近代美術館に草間彌生―永遠の現在を見に行きました。ニョロニョロ(「たのしいムーミン一家」)みたいなソフト・スカルプチャーが印象的ですが、それにとどまらず多様な作品で強いインパクトを与え続けているお人です。今回の会場で見たものでは、特に初期のモノクローム絵画に魅力を感じました。モザイク様にした風呂場のタイルのようにも見える絵ですが、微妙な濃淡にいわく言い難い味があります。最近の作品も面白いのですが、職人的に手慣れた感じがして刺激がやや弱いかと。それは必ずしも悪いことではないのでしょうけれど。現代美術に興味の無い人でもパッと見に面白いだろう作品は「天国への梯子」。色を変えながら光るネオンの梯子の上下を丸い鏡で挟み、天地の無限をあらわしたもので、上と下の鏡を見ながら「天国に行きたいねえ」「やっぱり地獄行きかねえ」とか考えるのは楽しうございます。水玉模様の風船に圧迫された「水玉強迫」の部屋の中を警備員が歩いている姿にはなんだか笑えましたし。行って損のない展覧会なのは確かでしょう。