舞城王太郎『熊の場所』

しばらく読書というカテゴリが出てきませんでした。二男が生まれてから、本当に読書のペースが落ちたから──と思っていたのですが、今も大して生活は変わらないにもかかわらず冊数だけは増えつつあります。バフチンドストエフスキー詩学』を読むのに時間がかかり過ぎただけでしたか。
熊の場所』は3本の中篇が入っています。なかでも2本目の「バット男」がすごく良うございました。こんなに身につまされる小説を読んだのは久しぶりです。奥泉光の一時期の作品(「その言葉を」「暴力の舟」あたり)が今までで一番、自分自身に近いものが書かれている小説だと思っていましたが、「バット男」はそれ以上。やはり世代が近いからでしょうか(舞城の生年は私と1年違い)。でも世代なんてのは随分大まかなくくりだから、あまり当てにはならないかも。
詳しくはまた後ほど。