院内感染

帝京大病院で大規模な院内感染があった。こんな感じ。

帝京大病院(東京都板橋区、1154床)は3日、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニに患者46人が院内感染し、27人が死亡したと発表した。うち9人は死亡と感染の因果関係が否定できないという。国内で同菌の大規模な院内感染が明らかになるのは、09年の福岡大病院に次いで2例目。帝京大病院は5月には認識したが、保健所に報告したのは今月2日で、都は「報告遅れは不適切」として厳重注意した。(毎日jpより)

帝京大病院の対応は責められるべきだと思う。しかし一方で、一般に病院という場所が決して体によい場所ではないということを改めて思い知らされる。患者の側も院内感染への対策が必要だ。
精神科医中井久夫は『臨床瑣談』で院内感染予防策をまとめている(医療者側としても、患者側としても)。▽手洗い、マスク着用の励行▽睡眠の確保▽健康食品の利用(プロポリス、乳酸菌)▽漢方薬の利用――くらいだったか。手元に本がないので完全ではないかもしれない。
手洗いは指を巴形に組み合わせる洗い方を推奨していた。マスクは、黄色ブドウ球菌の巣である鼻を触るのを防ぐにも有効と指摘。睡眠不足はものすごいストレス要因であり、眠るためには入院中でも常用の睡眠薬を服用すべく勧める(ナースに管理してもらう。常用していない人はどうするのかしらん)。
プロポリスと乳酸菌は、ちょっとまねしてここ2カ月ほど服用している。プロポリスは、ハチが巣を作るために植物の成分をあれこれして固めたもの。植物の内部が無菌的であるように、ハチの巣も無菌的なため薬効があると推定され、服用されるようになった。抗生物質的に働くが、中井久夫によると、高等植物の成分なので真菌類の作る抗生物質よりはずっと複雑で、耐性菌もできにくいだろうとのこと。プロポリス入りの練り歯磨きで、抗生物質が効かずに医師がさじを投げた床ずれを治癒させたことがあるともいう。乳酸菌はヤクルトを飲んでいるらしい。1日3本とか。糖分の取り過ぎとの兼ね合いが難しいのではなかろうか。ともかく乳酸菌は腸内細菌の代表だが、加齢とともに数が減少して腸内のバランスが崩れるので、補給してやるのがよいとのこと。援軍を送るような気持ちで、私も1日に2本程度、生協の乳酸ドリンクを飲んでいる。ちなみにプロポリスは、私は手に入りやすく比較的安いファンケルのものをのんでいる。中井氏は林原のものを使っているそう。確かに口内炎や吹き出物の悪化を防いでいる感じはする。長期間続けることで、炎症体質がおさまるとよいのだが。
念のため注記しますが、上記は中井氏の臨床家らしい経験にもとづく対策で、これが正しい方法だと主張しているわけでもなく、プロポリスやヤクルトの宣伝というわけでもない、ということはご承知おきくださいますように。