中国・まとめ

よしなくも中国について、ろくに知りもせずあれこれ書いてしまった。それなりにまとめ。

EU:強硬中国に困惑 会見ドタキャン/劉氏妻との面会拒否 自由と人権、隔たり
アジア新興国との関係強化を目指す欧州連合(EU、加盟27カ国)が、報道の自由や人権を巡る中国政府の強硬姿勢に困惑の色を深めている。今月に入ってから、ブリュッセルでの共同記者会見が中国側の都合でキャンセルされ、EU外交官がノーベル平和賞の民主活動家、劉暁波氏の妻、劉霞さんとの面会を拒まれるなど、不本意な出来事が相次いでいるからだ。
(中略)成長著しい中国との経済・貿易関係の強化を目指すEUは「根本的な価値観である自由と人権」(バローゾ委員長)で隔たりの大きさを見せつけられている。

最近の日本の国家像のキーワードが「自立」であることを考えると、日本人はたぶん、こういう中国をとんでもない国と思いつつも、幾分かはうらやんでいるのではなかろうか。他国の指図を受けない、思うように振る舞う国(もっとも日本人は、日本なら自立してももっと上品に振る舞えると考えているだろうが。そのへんが日本人の傲慢さか)。中国は、太平洋戦争前の日本以来70年ぶりぐらいに現れた、西洋にとっての「他者」なのだ。これまでの中国は安価な労働力だったり、資源の供給元だったり、巨大な市場だったりしたわけだが、もうそうした安易なカテゴリーに納まることをがえんじない、今までのルールには合わない国家が登場したということだ。
まあ、中国自身、まだ自分をどうしたらよいのか分かっていないふうだ。非西洋のスーパーパワーとして立ち現れつつある中で、どのように振る舞ったらよいのか。石原莞爾の「最終戦争論」では、日本が非西洋の盟主として西洋のチャンピオンのアメリカと決戦するはずだった。今の日本は明らかに、中国に対して劣位に立つ。それならアメリカと対峙するのは中国になる? 戦争ということではないにしても。自由や人権を西洋のローカル思想として否定しつつ、我が道を貫くのだろうか。
日本が占めることを夢想した地位を現に占めつつある中国と、その周辺国になりつつある日本。日本にとってこの状況は、まず面白くはないのだろう。といって、威勢良く国益を主張すればうまくいくという話でもない。今後の中国は、いよいよ「やりたいようにやる」という帝国然とした態度をとるのだろう。「戦国策」的に合従、連衡で対抗するのが周辺国のさだめか。正解のないおつきあいが続いていくことになる。しかし中国が秦の役どころなら、日本はいったいどこなんだか。
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個人的には、中国ともアメリカともお付き合いを薄めつつ、ブータンみたいに小さい国を目指してくれたらなあと思いますけれど。規模的にも地政的にも無理なのでしょうかね。