自民総裁に安倍晋三氏とか

安倍氏は右と言われるのだが、個人的なイメージから言わせてもらうと、右というのは今の論者では西部邁みたいな人のことを言うのではないか。設計主義に対する不信、理性への懐疑、生活感覚の重視、またそれに基づく現実主義、というところか。個人の具体的な経験を尊重し、そこから出発するのがいわゆる保守のはず。その意味で今や私も立派な右翼、というわけなのですが(軍備には反対。軍隊は結局のところ、切羽詰まれば民衆のためではなく軍隊のために戦う組織だ。沖縄や満州を忘れるわけにはいかない)。
しかし、安倍氏の過去の言動から察するに、氏が重視しているのは個人よりも国家であって、価値観の多様性を否定して国民を統制することが究極の目標のように見える。そういう政治を実践している国は日本のすぐ近くにある。言うまでもなく北朝鮮安倍氏という人は別に右翼というわけではなく、国家主義というか統制主義というか、端的に言えば全体主義者なのではないか。それでいいのか自民党
だいたい、日本の右翼というのは玄洋社に見られるようなアジア主義がそもそもの起こりのはずなのに、それが反共と結びついてなぜか親米に転んでゆくという、いかがわしい道筋をたどってゆく。グローバリズムとか、保守なら黙って許容してよいものではないと思うのだが、その辺をなし崩しに過ごしてきたのが自民党で、TPPへの対応を見ても全く反省が感じられない。野党暮らしの間に1955年以来の総括をしておくべきだったのに、原発政策一つさえ反省できなかった。この期に及んで何を期待しろというのか。