言い訳市長

物言えば唇寒し。言い訳はすればするほどボロが出る。大阪市長の会見を見てその思いを深くする。
大阪市長の考えていることは初めから変なのだ。性欲をたぎらせた強い男のために女が奉仕するのは仕方がない、ぐらいの認識が出発点。現代社会では慰安婦はいけないけれど、代わりに買春しましょうと。市長は「風俗」と言ってはいたが、事実上の売買春が行われていることは、市長の口癖を借りれば「誰だってわかる」。そして今の世の中では望まずして風俗業に就く女性など全くいないのだから、男性も普通のサービスを受けるように、性欲処理をしましょう、と。
何というか、人間の品性も、世の中の常識も、ここまでとんちんかんな相手にはどうやって伝えたらよいのかと困ってしまう。法律に書いてあることしか物事の根拠にならないとお言いなのでしょうな、弁護士さまは。大阪の遊郭飛田新地にゆかりの深い弁護士だということも、今回の件で改めて知れ渡ったよう。風俗業に理解があることは必ずしも悪いことではないが、どうもその理解は、性を売らざるを得ない女性たちの側ではなく、彼女たちから搾取する(と言って間違いではないでしょう。日本は人身売買の関与国家として上位にランクされているわけだし)経営者側にあるようだ。
職に貴賤なし。とはいうものの、風俗業は、決して親が娘に就かせたい職種ではない。それはなぜか。男が女を買うのが大半という非対称的な産業なのはなぜか。考えることはたくさんある。法律に書いてあることが全てではない。