自衛隊と国防軍

参院選。盛り上がらないまま終盤戦。このままだと低投票率のまま自民圧勝なのだろう。面白くない。面白くないが、国民の選択というのはその程度のものなのかもしれない。やんぬるかな。
ところで安倍晋三首相が、選挙戦の旗色の良さに気をよくしてか、9条改正に言及したという。ここで言っておけば選挙後にすんなり話が運ぶと考えたか。しかし9条を改正してどんなメリットがあるのか、さっぱり分からない。現在の9条でも自衛権はあり、自衛隊違憲ではないというのは定説のはず。9条は「本当は戦力など持つべきではない」という理想の表明だ。自衛隊のような暴力装置は、こういう理想に反するものだという、ある意味では後ろめたい気持ちなしに保持・行使してはならないものだと思う。
だいたい、9条を改正して国防軍にしたところで、それに何をやらせるつもりか。自衛隊は既に、いわゆる普通の軍隊がやりそうなことを相当にやっており、やっていないのは国外での武力行使ぐらい。日本が国外で武力行使をするといったら、とりあえず米軍のお先棒を担ぐぐらいのことでしかなく、自民党は本当に日本の国民にそんなことをやらせたいのだろうか。それ以外に思いつくことといえば侵略戦争ぐらいしかない。自民党のやろうとしていることは、どう考えても国益を損ねそうなことばかりで、やはり安倍首相のような全体主義的・思想統制的な指導者には一刻も早く退場してもらわなければならないのだが、どうもそうは行かなそう。次の選挙で、どうするかを考えておかなければならないか。