そして結果

都知事選。夢も希望もない選挙で身も蓋もない結果。舛添氏圧勝。
いち知事選という以上に、安倍政権の信任投票的な性格を帯びた選挙でこの結果はひどい。もっとも、近年の風任せのような選挙が続いた中で、選挙とは元々こういうものなのだと改めて思わせる結果でもある。徒党を組む者が強い。それも理念や理想ではなく、損得勘定でつながる者が強い。寛容さや自由を志向する人間にとって、こうした事実は重い。他人を支配したり支配されたりする関係の方が、人を動かしやすいのだ。
それでも、46%程度という低投票率の選挙にあって、脱原発派の得票が200万票近くあったということは希望的と言えなくもない。大型選挙においては原発の是非が一定の争点になるということを、今回の都知事選は示した。一つの始まりになるだろうか。
舛添氏の人物については、さきにも書いた通り、全く期待しない。いわく「世界一の東京」? いわく「最高の五輪」? あまりに中身のない自己満足的な響きを帯びたフレーズ。ただ、これだけガチガチに組織選挙をやってしまうと、知事とはいえ与党に頭の上がらない4年間になるだろう。議会対策が重要となると勝手なことをするのも難しいはずで、都政自体にはさほど心配はしない。心配なのは国政。安倍首相がまた調子に乗って碌でもないことを始めそう。景気などもう良くならずとも構わない。国民に迷惑をかけること――その最たるものが戦争だ――だけはやめてほしい。