今更オリンピックのことなど

気が滅入る話ばかりなので少し雑談など。
オリンピックなんか知らん、という顔を始まるまではいつもしてしまう。でも始まると結構楽しんで見ているのが実情で、東京五輪のころにはこういう詰まらない気取りをやめられるものかしら。
オリンピックの何が面白いといって、選手たちが4年間あるいはそれ以上の努力を、短時間の競技の間に燃焼させるという、密度の高い時間を見せてもらえるのが面白い。見る側からすれば本当に勝ち負けは二の次。むろん、日本の選手のことは外国の選手よりも報道などでよく知っているから、そういう人たちがメダルを取れば、良かったなあとは思う。取れなくて悔しがっていれば気の毒にと思う。でもそれとはまた別の話として、選手たちの努力が「報われない瞬間」というものを見せてもらえるのも、ものすごくぜいたくな話だ。スキーのジャンプなんか、一人一人の競技時間が短いだけに、本当にぜいたくだ。あのシュリーレンツァウアーですら失敗する。昔トリノで金メダルを取れなかったフィギュアスケート女子のスルツカヤが「それが人生だ」と言っていたけれど、まさにその通り。プロスポーツの世界とは違い、短時間に人生の断面をくっきりと見せるのがオリンピックだ。
オリンピックがこのように面白いのは、やはり世界中の選手たちが勝つために真剣に己をささげるからで、その姿を目にすることができた時点で私は満足する。勝敗に関しては、一定のレベルを超えたら時の運としか言いようがない。勝とうと負けようと本当の真剣さは美しいのだ。どこぞの「玄孫」だかが、メダルをかむなとかヘラヘラするなとか難癖をつけていたが、そんなのはあくまでオマケの話。オマケが気になってオリンピックの楽しみが減ずるというなら、まったく気の毒な話だ。
ところで葛西紀明さんは私と同い年なのですよね。私も頑張らないと。