ベルリン博物館島

ekatof2005-06-10

上野の国立博物館で開かれている、世界遺産・博物館島 ベルリンの至宝展へ行ってきました。監獄島みたいなたいそうな名前ですが、川の中州の島とのこと。絶海の孤島だったら誰も見に行けませんものねー。
ボッティチェリのビーナスのタブロー(というか、つまり絵)=写真=が来ているので行ってみたのです。日本に住んでいてそう海外にも行かないだろう身としては、ボッティチェリの実物を見る機会なんてごく限られていますから。
結果としては、ボッティチェリよりも古代エジプトが良うございました。アヌビスだのバステトだのの彫像には「吉祥寺の七井橋通り(大原商店とか)でこんなの売ってるよなあ」と思っただけでしたが。注目はアマルナ芸術。世界史で習いましたよ。都がアケートアトン(テル・エル・アマルナ)に移った途端、写実的な芸術が花開いたと。「ネフェルティティ王妃あるいは王女頭部」が、確かに「写実」の妙を伝えていて秀逸。都の彫刻工房から出土したという、未完成の頭部の彫刻は、柔らかな耳たぶやふっくらした頬の実感をばっちり伝えてくれます。しかも美人(^^; 出展一覧を見ずに行ったので、まさかネフェルティティとかいう名前に出くわすとは思いませんでした。ミカ・ワルタリの世界ですね。
あ、ボッティチェリも良かったです。ビーナスの肌の表現はとても繊細だし、髪の細さもいい感じで。しかしウフィッツィで見た「春」の絢爛さを思い返すと、地が真っ黒なのが残念なのでした。