舟遊びの昼食

ekatof2005-08-15

六本木ヒルズフィリップス・コレクション展へ家族みなで行ってきました。個人のコレクションをもとにした美術館からの展示なので、理屈が少なく肩の凝らない展覧会。点数も60点ほどと疲れずに見られる数で、2人の子連れに丁度ようございました。
今回の呼び物は何といってもルノワール「舟遊びの昼食」。中学校のころの美術の資料集に、見開きだか折り込みだかで載っていたのを覚えています。本展のサブタイトルが「アートの教科書」というのもうべなるかな。実物の「舟遊び……」はとても感じの良い絵でした。軽いけれども浮ついておらず、陽気だけれどうるさくない。薄い塗りと素早い(素早そうな)筆致に軽みと率直さを感じ、心の軽くなるような絵でありました。苦労を押して六本木まで行ったかいがあったというものです。解説によると画中の人物の一人はラフォルグだそうです。
ほか全体的に時間をかけて見ることはできませんでしたが、良かったのはココシュカの「ロッテ・フランツォスの肖像」。優しげな美しい女性の周囲を青や赤のオーラが取り巻く不思議な肖像画で、鋭く曲げられた指が神経質らしい雰囲気も醸しています。ポストカードを売っていなかったのが残念ですが……。コレクションをしたダンカン・フィリップスはココシュカが「20世紀の画家で一番好き」だったというのも納得できる絵でした。ところでココシュカのフルネームはオスカー・ココシュカなので、サインは「OK」となるのですよね。ガッツ石松が見たら「OK牧場!」なんて言ってくれそうだなあ、とかつまらんことも考えてしまいました。