昔の話ですが

ドイツ:92年ぶり賠償完済
ドイツ財務当局は3日、第一次大戦(1914〜18年)の敗戦を受けたベルサイユ条約(1919年)で負った賠償金を大戦終結から92年ぶりに完済した。ドイツの東西分断時代、国際協定で賠償金の返済が猶予されていたため、支払いが長期に及んでいた。(毎日jpより)

ドイツの賠償金は、ベルサイユ条約では1320億金マルク(その後ローザンヌ条約では30億金マルクまで減額)だったそうです。今の価値ではどれくらいか。Wikipediaよれば、1金マルク=純金358mgだそうだから、30億金マルクは純金107万4000キログラム。ざっと1000トンですね。今の純金の相場は1グラム=3700円程度。この伝でいけば、純金1000トンの値段は3兆7000億円程度。それに利子が付くのだから支払額は相当膨らんだことでしょう。
結果としてドイツの経済状況は窮迫し、ナチスが台頭して第二次大戦につながる。もしこの賠償金がもっとリーズナブルなもので、ドイツの民族主義を刺激しないものであったなら、独仏、独英の戦いは起こらず、日本も日中戦争はともかくとして、日ソ戦、日米戦を戦うことにはならなかったかもしれません。そう思うとこの昔話風味の記事も、なかなか感慨深いものがあります。