ゴッホ展

少し前のことですが、久しぶりに展覧会へ。国立新美術館ゴッホ展へ行ってきました。しかし「こうして私はゴッホになった」という副題は、「わだばゴッホになる」と言った棟方志功を思い出させますね。
国立新美術館六本木駅から少しだけ歩くのですが、雑居ビルの建ち並ぶ路地が豁然と開けて、唐突に美術館が現れるのが面白い。何か変わったものが見られそうという気分になります。
展覧会はゴッホの作品を編年的に並べつつ、技法に影響を与えた画家の作品を並置して画業をたどるというもの。目玉はアルルでゴーギャンと共同生活を送った「黄色い家」の部屋の複製でしょうか。
展示は堅実。という言い方はよろしくないか。デッサンの修練を経て、ドラクロワの色彩感覚やスーラの点描などを参照しつつ、なお自分の描くべき絵を追い求めるゴッホの姿を彷彿とさせる。基本的に若々しい人だったのだ、と自分がゴッホの没年を過ぎて生きているのに気づかされます。
アイリスを描いた一点の静物画が特に好きな感じでした。重みのある美しさとでも言いましょうか。美しい感じに手応えがある。実際これは、ゴッホの絵の中でも良いものとされているようです。黄色い背景というのも良いのかもしれません。ゴッホといえばなんとなく「黄色」と思う人は少なくないはず。「らしさ」というのはやはり大事なのです。
ついでにミッドタウンのDEAN & DELUCAに寄って塩を買って帰る。吉祥寺にも店はできましたが、袋入りのゲランドの塩は置いていないので。まあ吉祥寺もえらく便利になったものですが。