その結末

後藤健二さんもイスラム国に殺されてしまった。ご冥福をお祈りします。
しかし、他人の死に絡めてみな言いたいことを言い出すのにはうんざりする。他人の行為にとやかく言い過ぎだ。
特に政治家はいただけない。自民党の偉いさんが後藤さんの行為について「蛮勇」と評したとか。安全な場所にいながらよく言えたものだ。後藤さんを知る人は皆、彼は慎重に取材をする人だったと言う。しかし、そんな人にも危険を冒させる現実が現場にはあるのだろう。戦場ジャーナリストという職業、慎重な人でも亡くなるということは決して少なくない。イラクで撃たれた橋田信介さんも、シリアで撃たれた山本美香さんも慎重な人だったというが、それでも危険は彼らを見逃さなかった。言い換えれば、どんなに慎重な人であっても、危険に近づくのにあらがえない場面というものがあるのだ。確かに後藤さんはイスラム国の領域へ行くべきではなかったが、そこへ彼を誘ったのは蛮勇などというものではないだろう。無意味な評価など下さないに限る。
しかし今回の事件については、まだ言いたいことが出てきそう。