古い政治家

そういえば今度の選挙で亀井静香さんが引退するとのこと。警察官僚出身の典型的な族議員だったが、それなりに印象的なエピソードのある人ではあった。
死刑廃止論者だったのはよく知られている。警察官僚として冤罪をゼロにはできないことを骨身にしみて知っていたのだろう。表現の自由に対しても、内心の自由にかかわるものとして規制に批判的だった。議員会館の部屋にゲバラのポスターを張っていたというから、ロマンチストでもあったのだろう。二風谷ダムの建設差し止め訴訟で国が実質敗訴した際(ダムの建設自体は事情判決の法理で執行されたが)、国の控訴を断念させたのは亀井さんだったという。これはアイヌとして国会議員になった萱野茂さんの発言だから間違いないだろう。萱野さんのところに電話があり「控訴をやめてくれ」と言ったら「分かった、二人で決めよう」という話になった、とのこと。
まあ、昭和の名残をとどめた自民党政治家ではあり、自ら投票したいタイプの人では決してなかったが、昔の政治家にはこの程度の陰影はあったということ。ひるがえって今の自民党の政治家はどうか。