雑感

アナと雪の女王

これもDVDで。どちらも奥さんが借りてきてくれたのだった。他愛ないお話を比類なく美しい映像と音楽で彩るという、いかにもディズニーらしい映画。ピクサーも含めて、一番まともなお話は「トイ・ストーリー」かなあ、というのが私見。異論はいろいろあり…

風立ちぬ

今更ながら宮崎駿監督の最終作、「風立ちぬ」をDVDで見る。とてもいい映画だった。詩のような、夢のような。結核ヒロインとの悲恋の美しさはまずありきたりではあったが(それでも泣けた)、主人公の飛行機設計に精魂を傾ける姿に心を打たれた。創造的な…

遠く未来のことを思う。それも政治の一義務である。未来のことを思わなければどうなるか、今の急激な少子高齢化が端的に物語っている。事が深刻になってからでは手の出しようもなくなる。 集団的自衛権という、よく分からない言葉が躍る。つまりは自衛隊に米…

書く心

「およそ言論の場で、文章をおおやけにして身すぎ世すぎをしようとする者は、大にして天下国家、小にして身辺の世情にふれて、おのれの判断を誇ろうとする姿勢を免れることができない。誇ろうとはせぬまでも、自分がいかに智者であり賢者であるか、少なくと…

不思議な話

「カルチャーが変わったなと非常に心配している」 ノーベル賞受賞者の野依良治・理化学研究所理事長がいみじくも言ったように、何だかよく分からない方向へ話が進んでいる。 STAP細胞の論文に不備があるという話で、私は執筆者が何らかのズルをしたのだ…

それなりの受け皿を

前回のようなことを書いてから、渡辺京二「反乱する心情」(『アーリイモダンの夢』所収)を読んで反省した。二・二六事件の反乱将校たちの心情を慮った小文だ。渡辺氏はいう。「反乱将校は出世と保身に汲々たる将校の実態に激しく反発した。現実と特権に吐…

「国益」の射程

都知事選で田母神俊雄候補が61万票も獲得したことは引っ掛かっていたのだが、こんな記事を読んだ。 続報真相 田母神氏61万得票の意味 田母神氏を支持した人たちの考え方にあぜん。今の若者は頭が悪い? 私が年を取ったのがいけないのか。最後の田母神氏…

今更オリンピックのことなど

気が滅入る話ばかりなので少し雑談など。 オリンピックなんか知らん、という顔を始まるまではいつもしてしまう。でも始まると結構楽しんで見ているのが実情で、東京五輪のころにはこういう詰まらない気取りをやめられるものかしら。 オリンピックの何が面白…

NHK会長

なんと言うか、とにかくひどい。もう少し普通の友達はいなかったんですか? 安倍首相さま。

そして結果

都知事選。夢も希望もない選挙で身も蓋もない結果。舛添氏圧勝。 いち知事選という以上に、安倍政権の信任投票的な性格を帯びた選挙でこの結果はひどい。もっとも、近年の風任せのような選挙が続いた中で、選挙とは元々こういうものなのだと改めて思わせる結…

どうなることか

東京には珍しい大雪。雪を片付けてくれるブルドーザーが来るわけでもなく、今日は自動車も難渋しそうだが、子どもたちは喜ぶだろう。 さて都知事選の当日だ。ぶっちぎりで勝つと言われている舛添要一氏の評判がすこぶるよろしくない。子どもの養育費を値切る…

知的なものの退潮

長谷川三千子氏という人のことをよく知らなかった。動物行動学者?と思ったがそれは長谷川真理子氏だった。取り違えるのは真理子氏に非常に失礼なこと、と思わざるを得ない。 長谷川三千子氏の方が、朝日新聞で拳銃自殺した野村秋介をたたえる文章を書いてい…

都知事選

またまた結局、誰に入れたらと思うような候補ばかりが出てくる都知事選。簡単にまとめ。 舛添要一…意外なほどの常識人である小泉進次郎衆院議員が言うように、自民党がこの人を推すのはまったくもって「大義がない」。自民党に人無しを改めて印象づける。新…

また都知事選

そんなこんなでまた都知事選。今度の選挙は困惑せずに済むとよいのだが。 猪瀬直樹氏という人は、副知事時代からの報道に触れた限りでは、とにかく偉そうで攻撃的で品が無くて、優しさとか寛容さとか要するに人格の深さみたいなものを全く感じさせない、そそ…

怖い話

まだあまり話題になっていないようだが、11月30日付の毎日新聞に、奇妙なおわび記事が出ている。世界屈指の種苗会社、モンサント社に対するもの。モンサントが普及を進める除草剤のラウンドアップについて、健康被害を引き起こしたかのような印象を与えた、…

難しい話

安倍晋三首相が消費税の増税を発表した。来年4月から8%、おそらくその1年半後に10%。一概に反対はしないが、心配はある。 しかしこういう話になるとマスコミはどうしても、庶民の暮らしが圧迫される、家計をどう防衛するか、みたいな話をしたがる。庶民…

宮崎駿監督引退

長編アニメーションについて、という条件付きながら宮崎駿氏がアニメの監督からの引退を宣言。ナウシカとラピュタは封切りで見た、という世代なので感慨深いものはあるが、近年の『千と千尋』や『ポニョ』が良かったか、というと、諸手をあげて歓迎とは言い…

東京五輪

2020年に東京五輪開催とのこと。オリンピックなんて今の中国のような開発独裁国家向きのイベント、と思っていたが子どもたちはそれなりに喜んでいるようなので評価が難しい。個人的な第一感は「面倒くさいな、でも株が上がるかも」というひどく貧相なもので…

敗戦記念日に寄せて

普通は「終戦記念日」という。これは「糖衣の言葉」だと、昔々に大学の政治学の授業で聞いた。確か佐藤誠三郎。「糖衣」とは読んで字のごとく、砂糖の衣。受け入れにくい事実について、字面だけでも飲み込みやすいものにするために使う言葉が糖衣の言葉だ、…

自衛隊と国防軍

参院選。盛り上がらないまま終盤戦。このままだと低投票率のまま自民圧勝なのだろう。面白くない。面白くないが、国民の選択というのはその程度のものなのかもしれない。やんぬるかな。 ところで安倍晋三首相が、選挙戦の旗色の良さに気をよくしてか、9条改…

言い訳市長

物言えば唇寒し。言い訳はすればするほどボロが出る。大阪市長の会見を見てその思いを深くする。 大阪市長の考えていることは初めから変なのだ。性欲をたぎらせた強い男のために女が奉仕するのは仕方がない、ぐらいの認識が出発点。現代社会では慰安婦はいけ…

妄言市長

橋下徹大阪市長が、頼まれもしないのに変なことを言って、昨日(14日)は独りパソコンの前でツイッター相手にわたわたしていたらしい……これ、何か言う必要があるのだろうか。 あえて言えば、橋下氏が使った「精神的に高ぶる猛者集団」「海兵隊の猛者集団」…

憲法雑感

改憲論議かまびすしい今日このごろ。目先の焦点は96条の改正要件の改悪らしい。これについては、了見がせこいというほか何もない。よろずのことに速さとか手軽さを求める昨今の風潮を反映しているのだろうが、そういう見識で国の方針を定めてよいものか。…

おおかみこどもとTPP

細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」をようやくブルーレイで見る。前2作はちゃんと映画館に足を運んだことを考えれば、横着になったもの。それなりに楽しみにしていたはずだったが。 物語は、東京に住む苦学生の花が、ふとした出会いから「おおかみおと…

アベノミクス

アベノミクス。株高進行ありがたや、でよいのかどうか。 貨幣の価値に根拠は無い、みんなが価値があると思えば価値がある(かのように貨幣は振る舞う)し、無いと思えば価値は無い、ということになる。岩井克人が『貨幣論』でざっくりそんなことを言っていた…

おっちょこちょい

例えば白い犬を立て続けに5匹見ただけで、「犬は白い」という結論を出すような人がいる。まあ、おっちょこちょいと言えば済む話だし、落語にでも登場すれば話を盛り上げる大事な役割を担うのだが、現実世界ではそうもいかない。自分に都合の良い情報だけを…

体罰自殺・その後

以前、CS放送のアニマル・プラネットでシャチの番組を見たことがある。シャチは子育てに15年かけると言っていた。15年! 義務教育でもあるのしらと言いたくなるが、人間の教育と違って、シャチは子供に体罰を与えたりはしないだろう。 翻って人間のや…

衆院選の結果について

失敗の許されない仕事というものは確かに存在する。例えば航空管制官。失敗は即、事故につながる。一方で、あらかじめ失敗が前提とされる仕事もある。クリエーティブな仕事は一般にそうだ。失敗のない創作活動などというものはあり得ない。 政治はどちらか。…

ネオリベぎらい

「頑張った人が報われる社会」。そんな社会を作りたい、とよく言われる。特に新自由主義的な傾向が強い政党なんかは、こういうセリフが好きなようだ。新自由主義とは何ぞや。ネオリベラリズムの訳語というが、特徴としては市場主義と自己責任論が挙げられる…

都知事選?

ところでところで都知事選。もう誰が立候補しているかも分からない。東京なのに宇都宮、という名前の人が脱原発の候補だそう。どうでもいいが、前日弁連会長、という肩書を見ると「うわっ、弁護士の親玉か」と思ってしまうほどに、どこぞの市長は私の中で弁…